オードリーのアート日記:久保俊太郎個展『家畜帝国の日常』

 

ギャラリーの入り口にはこれまで描かれた実際に存在するペットたちがズラリ

美の起原展2019で準大賞を受賞し、2021年から毎年美の起原で個展をしている久保俊太郎さん。

久保さんは動物の絵を描いていますが、その中でもモチーフにしているのは人間に飼われる“ペット”。

戦闘服を身につけた犬や猫、ハムスター、うさぎがロールプレイングゲームのキャラクターのように描かれ、

ペットの軍隊は武装国家「神聖家畜帝国」を構成しています。しかも絵に登場するのは実在するペットです。

描かれた動物たちは可愛らしさだけでなく、どこか滑稽さを感じさせます。それは人間に生かされている愛玩動物を

久保さんが意識しているがゆえの表現となっています。

ペット兵たちの日常が描かれた新作群

これまで横向きの多かったウサギが正面から!目を正面から描くのが久保さんのポリシー。言われればウサギはどちらからも目が見えます

5回目となる同画廊での個展のサブタイトルは『家畜帝国の日常』。

ペットたちの戦闘体制でない、休日のような日常風景が描かれている新作を中心に展示しています。

売店で買い物をしたり、ゆったりとベンチに座って一息ついたり。これまで描かれてきたペットたちよりも表情が柔らかく、

ストーリー性を感じさせます。家畜王国を知る人には新たな一面が発見できる、

初めて見る人にはペットの穏やかな日常の伝わる展覧会になっています。

《インコのおもちゃ屋》

また、今回は初めて見る鳥の作品があります。久保さんご本人に尋ねたところ、インコを飼い始めて初めてモチーフにしたそう。

どのインコも羽の一枚一枚が細密に絵描き込まれています。特に飼っているインコは仕草がリアルだなと感じたのですが、

お分かりになるでしょうか?

《なかよしベンチ 猫・ネズミ》

出品作のなかで、私のお気に入りは「なかよしベンチ 猫・ネズミ」。

ネズミ兵と猫兵がベンチで話をしている場面が描かれています。足にはキラキラと光る運命の糸が!(笑)

「天敵同士が仲良くしているのってなんだかいいですよね」と久保さん。確かに惹かれます。

久保俊太郎さん。「観兵式」を前に

展覧会は絶賛開催中。涼しいギャラリーで久保さんの絵にほっこりとさせられました。

ぜひ皆さんも訪れて実際の作品を見てください!

久保俊太郎個展『家畜帝国の日常』

2025年7月24日(木)~7月31日(木)日曜休廊 
12:00〜18:30(最終日16:00)                           
美の起原
WEB展示

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