京都へ行ってきました。
この日本有数の観光地で話題となっているのが、京都市京セラ美術館で開催中の「村上隆 もののけ 京都」展です。
海外でも日本人アーティストとして圧倒的な知名度を誇る村上隆さん。日本では8年ぶり、東京以外では初の大規模個展です。
徳川家御用絵師として活躍した狩野派のように工房制をとり、近世日本美術の影響がうかがえる村上さんの作品を、京の都として栄えたこの土地で見ることのできる貴重な機会、日本で最後の展覧会になるかもしれないなんて言われたら、ファンならずとも見に行くしかないでしょう!
京都を舞台にしたこの展覧会でまず目に入るのが、村上版《洛中洛外図》。岩佐又兵衛の《洛中洛外図屏風(舟木本)》を引用した画面には、村上さんのキャラクターがちりばめられています。それを探すだけでも楽しい! さらによく見ると金箔部分には村上フラワーが型押しされていて、細部まで村上マジックが施されています。
《洛中洛外図屏風 岩佐又兵衛 rip》(部分) 2023-24年
「村上隆 もののけ 京都」展示風景、京都市京セラ美術館 2024年 ©2024 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
その後も風神雷神図や雲龍図など、これまで日本の絵師たちが取り組んだテーマや、四神獣に囲まれた平安京をイメージしたインスタレーションも見ることができます。書きたいことはそれぞれにありますが、ぜひ実際に見て、感じていただきたいです。
《雲竜赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》》 2010年
「村上隆 もののけ 京都」展示風景、京都市京セラ美術館 2024年 ©2024 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
京都ゆかりのテーマと別の見どころとしては、DOBくんをはじめとする村上キャラクターが揃うところ。なかにはこれまでの作品を新たに再制作した絵画もあり、現在の表現に変化しているキャラクターもいました。
個人的にはエコエコレンジャーが一番の推しキャラです。初めて登場したのは、私の記憶が確かならば、2005年にニューヨークのジャパンソサイエティで開催されたリトルボーイ展で、その後広島市立現代美術館に掛け軸タイプの作品が収蔵されました。
避けて通れない日本の歴史をポップに消化し、かわいらしいキャラクターに置き換えながら、その社会背景を示している作品です。
《エコエコレンジャー ファミリー》
「村上隆 もののけ 京都」展示風景、京都市京セラ美術館 2024年
©2024 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
長くなってきたので、最後にもう一つだけ。この展覧会には村上さんのぼやきがたくさん出てきます。どれも長く、読むのが大変なので、写真におさめて後でじっくり見るのがいいでしょう。
こんなの他のアーティストで見たことない!と思わせる仕掛けでした。
と、ここに収まりきらないほど伝えたいことはたくさんありますが、見たらぜひコメントください。一緒に鑑賞の感想を交換しましょう!
《お花の親⼦》(2020年)とルイ・ヴィトンのトランクのインスタレーション
「村上隆 もののけ 京都」展示風景、京都市京セラ美術館 2024年
©2024 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.