
クロード・モネ《ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光》1904年、油彩・カンヴァス 、オルセー美術館蔵 Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
「これを見ずに、モネは語れない。」
そんなセンセーショナルなコピーが目を引く、印象派の巨匠クロード・モネ(1840-1926)の展覧会が、アーティゾン美術館で開催されています。オルセー美術館から世界最高峰のモネ・コレクションが一挙来日。そのモネの作品41点を含む、同館所蔵の約90点に、国内の美術館や個人所蔵作品を加えた合計約140点が一堂に会する、風景画家としてのモネの真髄に触れる贅沢な機会です。

クロード・モネ《サン=ラザール駅》 1877年、油彩・カンヴァス 、オルセー美術館蔵 Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Benoît Touchard / distributed by AMF
さすがモネ!と言えるほどの盛況ぶりは入館前から肌で感じます。公式サイトを確認しても近いところはほとんど埋まっていて、展覧会は5月までですが早めの予約が必須と言えるでしょう。

クロード・モネ《戸外の人物習作-日傘を持つ右向きの女》1886年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵 Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF
オルセー美術館が「モネの没後100年」という国際的な記念イヤーの幕開けを飾る展覧会と位置づける本展は、ル・アーヴル、アルジャントゥイユ、ヴェトゥイユ、そしてジヴェルニーなど、モネの創作において重要な場所と時代を切り口に、その画業の発展を年代順に丁寧にたどります。各地で多様な制作方法を試みたモネの生涯を追うような構成により、アーティストの人生とともに作品が変貌していくさまが鮮やかに浮かび上がります。

クロード・モネ —風景への問いかけ モネ年譜
教科書に載るような名作が続く中で、ぜひ注目したいのが、モネの最初期の油彩画と言われる《ルエルの眺め》です。実はこの貴重な作品、日本(丸沼芸術の森所蔵、埼玉県立近代美術館寄託)にあるというから驚きです。撮影禁止ですが、見逃せない一点です。

エミール・ガレ《静淵》1889-90年、多層吹きガラス、オルセー美術館蔵 Photo © Musée d’Orsay, Dist. GrandPalaisRmn / Jim Purcell / distributed by AMF

モネ没後100年 「クロード・モネ —風景への問いかけ」展会場風景 ©Yuya Furukawa
また、同時代の絵画や写真、浮世絵、アール・ヌーヴォーの工芸作品などの表現との関係から、モネの創作の背景や動機を読み解く試みも本展の見どころです。誕生して間もない「写真」と絵画はどのように共存したのか。展示されたモノクロ写真はどこか絵画的な構図で興味深く、一方、隣り合うルノワールの圧倒的な筆致には思わず言葉を失います。さらに浮世絵やガレなどのアールヌーヴォーの作品が並ぶことで、あらゆる角度から「モネ」という表現者が浮かび上がります。

クロード・モネ《ノルウェー型の舟で》1887年頃、油彩・カンヴァス 、オルセー美術館蔵 Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
近代化が進み、風景が激変した時代、モネはその変化をどう捉え、表現したのか。その答えは展示後半に並ぶ連作から見えてきます。ルーアン大聖堂、積み藁、そして睡蓮。同じ対象を描き続けることで、モネは「自然とどのように向き合うのか」を探求し続けたかのようです。これらの作品群を鑑賞することは、私たち自身がその普遍的な問いに思いを巡らせる、貴重な体験となるはずです。
モネ没後100年
クロード・モネ —風景への問いかけ
2026年2月7日(土)〜5月24日(日)
休館日:2月16日(月)、3月16日(月)、4月13日(月)、5月11日(月)
開館時間:10:00 ‒ 18:00(3月20日を除く金曜日、5月2日(土)、5月9日(土)、5月16日(土)、5月23日(土)は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
アーティゾン美術館 6・5階展示室
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/monet2026/

