オードリーのアート日記 「NISHINO HARUKA 個展 てんとう虫ダルマ-until they fly- 2023美の起原展 準大賞受賞記念」

昨年12月の美の起原展でNISHINO HARUKAの作品を見た衝撃を忘れられません。

標本箱のような箱に収められた大きなてんとう虫の立体で、その作品にはペン画でだるまを主とした模様が描かれていました。美の起原展は新しい表現に取り組む作家が受賞する傾向にあって、NISHINO作品が準大賞を受賞したのはふさわしいと言えるでしょう。

16歳でペン画を初めて以来、現在もペン画を中心とした作品を制作しているNISHINOさん。「生と死の2つを併せ持った存在」である「てんとう虫ダルマ」は、時に生き物のように営み、時にただのオブジェとしてそこに留まると言います。会場でお話を聞くと、大学在学中に突然アイディアが浮かんでから夢中で作り続けているそうです。2023年には大作の発表で知られる岡本太郎現代芸術賞展(TARO賞展)に「てんとう虫ダルマ」のインスタレーション作品で入選。今回の個展にもその一部を再構成した作品が展示されています。

見ていて印象的なのは、ミクストメディアによる立体から感じられる品格。リボンやビーズなどを素材とする「てんとう虫ダルマ」は虫に似合わないゴシックを連想させます。それは作家自身を映し出しているのでしょう。今回メインとなる入り口の大きなモノクロの作品は、ギャラリーの展示空間に合わせて制作された新作です。初めて、作家自身で染めあげた羽根を「てんとう虫ダルマ」が広げ、飛び立つ姿を表現しています。今後の作家自身のステップをイメージさせるようでした。

「曖昧なものだからこそ、てんとう虫ダルマは果てしなく自由な存在」とNISHIOさんはいいます。楽しみながら制作していることの伝わる作品で、アーティストとしての力強さを感じさせる個展でした。今週土曜まで開催されています!

NISHINO HARUKA 個展 てんとう虫ダルマ-until they fly-2023美の起原展 準大賞受賞記念
2024年8月2日(金)〜10日(土)日曜休廊 
12:00~18:30(最終日16:00) 
美の起原
WEB展示
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