オードリーのアート日記:横溝正史オマージュ展 金田一さん事件です!

日本の推理小説家を代表する作家のひとりである横溝正史。頼りないようでいて実は頭の切れる金田一耕助が事件を紐解く、名探偵「金田一耕助」シリーズは、石坂浩二、古谷一行、稲垣吾郎らが主演し映像化もされているので、どこかで見たことのある人も多いでしょう。

ギャラリーに入ると雰囲気のある鞄に文庫、金田一を思わせる帽子と古布が。横溝世界に引き込まれます。その横に展示されるのは、西澤直美《金夜祭》

現在、美の起原では、この横溝正史をオマージュした「横溝正史オマージュ展 金田一さん事件です!」が開催中。横溝小説から受けたインスピレーションを受けた絵画、彫刻、書などの作品が展示されています。

横溝小説をオマージュした作品群。普段の美の起原の展示とはまた違った雰囲気

右壁面は月乃カエル作品、左奥壁面は高天麗舟作品

出展作家は8名。神田真由さん、高天麗舟さん、西澤直美さんは本展を企画をした大杉浩司さんからの推薦で、美の起原では初めての展示です。一方、小松久美子さん、月乃カエルさん、中村あや子さん、森田洋美さん、蘭二朗さんは今までも美の起原で展示をしていますが、こうした小説からインスピレーションを受けた作品を見るのは初めてで新鮮です。彼らも大杉さんが展示を訪れて直接話をして、出品が決まったそう。

小松久美子《貝合せ「三姉妹」》

小松久美子の《貝合せ「三姉妹」》は、『獄門島』に登場する三姉妹の姿とその死因を貝合わせで表現した作品で、幼い気質の三姉妹を、古来の玩具に落とし込んでいます。こうしたキャプションが各作品ごとにあるので、インスピレーションを受けた横溝小説との繋がりを知ることができるのも本展の特徴。

森田洋美作品。右から二番目が《刻》

横溝世界に一番ハマっているなと思ったのは、森田洋美さんです。一冊の小説に対して、一作品だけでなく、複数作品に及んでインスピレーションを受けている作品もあります。例えば《刻》は『八つ墓村』『不死蝶』から着想を受け、「鍾乳洞には人々の想いが漂っている。どれほど時が過ぎようとも、そこにあった家族の記憶は誰かの心に刻まれる」というように、横溝小説に通底するテーマを自身の作品に落とし込んでいます。

西澤直美《ドレス》

西澤直美《ドレス》 ※照明を落とした状態

西澤直美さんの《ドレス》は、明るさで表情が変わります。明るい場所では全面に使われた箔の美しさに目を奪われますが、暗くすると蓄光塗料による線描が青く浮かび上がます。

どの作品からも小説への愛と理解が感じられます。写真は載せませんが、あの“湖に浮かぶ足” から着想を受けた走る作品も。ぜひギャラリーでお確かめください。

横溝正史オマージュ展 金田一さん事件です!

2025年12月3日(水)〜12月16日(火) 日曜休廊
12:00〜18:30(最終日16:00)                           
美の起原
WEB展示

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